
記事制作者:Nazuna.N
近年、SNS広告は「情報発信の場」から「購買行動の起点」へと進化しています。その中でも2024年以降、日本でも導入が始まったTikTokショップは、広告とECがシームレスに結びつく新しい販売チャネルとして急速に注目を集めています。
従来のSNS広告は、ユーザーを外部のECサイトやLPへ誘導するのが一般的でした。しかしTikTokショップでは、アプリ内で商品発見から購入・決済までが完結。動画やライブ配信から直接購入に繋がるため、広告費用対効果(ROAS)やコンバージョン率(CVR)の改善が期待できます。
本記事では、2025年最新版としてTikTokショップ広告の仕組み・特徴・成功事例・活用のポイントを徹底解説。これからTikTokショップを活用したい企業や、すでにSNS広告を運用しているマーケティング担当者に向けて、具体的な戦略のヒントをお届けします。
1.TikTokショップ広告の課題と可能性
1-1.従来のSNS広告が抱える限界
InstagramやFacebookなど既存のSNS広告は、基本的に「外部サイト誘導」を前提に設計されています。しかしこの動線では、ユーザーがアプリを離れる段階で離脱が発生しやすく、CVRの低下が避けられません。
実際、モバイルユーザーは「アプリから外部に飛ぶ」ことに強い心理的抵抗を持ちやすく、特にZ世代ではその傾向が顕著です。結果として、クリック単価(CPC)や購入単価(CPA)が年々高騰し、広告費用対効果が悪化する事例が増えています。
1-2.購買潜在層を取りこぼすリスク
TikTokショップ以前の広告運用では、「今すぐ購入したい顕在顧客」を前提にターゲティングするケースが大半でした。しかし実際には「今すぐ買わないが気になっている」「推しクリエイターの紹介で知った」という潜在的な購買層が多数存在します。
この潜在層に対して外部EC誘導のみでは購買行動につながりにくく、せっかく広告で接触しても購入ゼロ=機会損失に直結していました。特に美容・食品など日用品に近いカテゴリでは、この層を逃すことが大きな売上機会を失うことにつながります。
1-3.CPA評価の落とし穴
多くの広告代理店では「広告CPA=購入単価」をKPIにしています。もちろん購入数は重要ですが、TikTokショップにおける本質はLTV(顧客生涯価値)まで含めた指標設計にあります。
初回購入CPAが多少高くても、その後のリピート率やCRM施策(LINE誘導など)で回収できるケース少なくありません。登録CPAや購入CPAだけを見て広告を最適化してしまうと、短期的な数値は取れても中長期的な売上にはつながらない、という不整合が発生します。
2.TikTokショップ広告の仕組みと特徴
2-1.広告フォーマットの多様性
・ショッパブル動画広告:視聴中に商品を直接購入可能
・ライブコマース広告:配信内で紹介された商品を即時購入
・商品カタログ広告:複数商品を比較しながら購入を促進
特にUGC風の動画は広告感が薄く、自然な形で購買を誘導できるのが特徴です。
2-2.アフィリエイトとの連動
TikTokショップでは、クリエイターが商品を紹介し、成果報酬を得る仕組みが整備されています。これにより、広告主自信が制作する動画だけでなく、大三者の発信によって認知が拡散し、信頼性や購買意欲を高めることができます。
3.成功事例と活用ポイント
3-1.海外・国内の成功事例
・ロレアル:ライブ配信+動画+プレゼント施策で短期的に売上を拡大
・中小ブランド:美容・食品でTIkTokショップ経由の新規顧客を獲得
3-2.運用の成功ポイント
・クリエイティブ設計:冒頭3秒で惹きつけるUGC・レビュー動画
・商品選定:衝動買いしやすい価格帯(〜3,000円)が有利
・物流対応:配送スピードと在庫管理で顧客満足度を確保
・CRM連携:LINEやメルマガでLTVを最大化
4.今後の展望と注意点
TikTokショップは2025年以降さらに拡大が予想されますが、同時に以下のリスクも存在しているので注意が必要です。
・手数料や規約変更の可能性
・越境ECとしての新市場開拓の難易度
・データ連携やCRM施策の整備不足による収益化の遅れ
5.まとめ
TikTokショップは、従来のSNS広告が抱えていた「外部遷移による離脱」「潜在層の取りこぼし」といった課題を解消できる、革新的なチャネルです。
短期的なCPAだけでなく、LTVまでを見据えた戦略設計が不可欠であり、そのためには広告運用・クリエイティブ制作・CRM施策を一気通貫で実行する体制が求められます。
弊社ではSNS広告とLINEナーチャリングを組み合わせ、TikTokショップを含む最新の広告戦略をご提案しています。導入をご検討の際はぜひご相談ください。
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【参考サイト】
・https://www.kwm.co.jp/blog/tiktok-shop