
目次
記事制作者:Nazuna.N
X(旧Twitter)広告は、拡散性やリアルタイム性に優れたSNS広告として、多くのtoC企業で注目されています。
なかでも、ユーザーの興味関心や行動データに基づいて配信できる高度なターゲティング機能は、広告成果を大きく左右する重要な要素です。
しかし実際の現場では、
「どのターゲティングを使えばいいのかわからない」
「思ったようにクリックされない/CVにつながらない」
という課題に直面する企業も少なくありません。
そこで本記事では、SNS広告運用の現場で実績を出してきた視点から、
X広告の主要なターゲティング手法の特徴と使い分け、さらに成果につながった実際の設定例までを詳しく解説します。
2025年最新版のノウハウを元に、「ターゲティング設定で広告効果を最大化する」ための実践的なヒントをお届けします。
1.X広告のターゲティングが重要視される理由
X広告は、他のSNS広告と比較しても「誰に届けるか(ターゲティング)」の設計が成果を大きく左右します。
その理由は大きく3つあります。
1-1.”今この瞬間”のニーズに届くリアルタイム性
Xはユーザーがその時々の感情・行動を投稿するSNSです。
X広告の基本的な仕組みや、他媒体との違いについて知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください
→https://forestdali.co.jp/column/post_5550/
そのため、「今日の暇つぶし」や「今この映画観てる」といったリアルタイムなキーワードと結びついたターゲティングが有効に働きます。
例えば、以下のような例があります:
・映画タイトル×美容アプリ→映画の感想ツイートをしている人に配信
・地震・天気などの急な話題×ライフライン商材→”今必要”な人にリーチ
1-2.”興味関心”や”フォロー傾向”をもとに精度の高い配信が可能
X広告では、「〇〇に興味がある人」や「特定のアカウントのフォロワーに似た人」など、フォロワー傾向から類似層を推定するターゲティングが可能です。
これはInstagramやTikTokでは難しい手法で、特に趣味・思想が強くでる商材(学習・副業・恋愛など)では効果を発揮します。
1-3.反応が明確に数値に出る=PDCAが回しやすい
X広告は、「インプレッション数」「エンゲージメント率」「クリック率」「フォロー数」「CV」など多彩なKPIが取得可能です。
これにより、ターゲティングを変えたらどの数値がどう変わったかを細かく検証できます。
この分析のしやすさが、成果改善サイクルを高速で回すうえでも強力な武器となります。
以上の理由から、X広告の成否はターゲティングにかかっていると言っても過言ではありません。
次章では、2025年時点で使えるX広告のターゲティング手法を一覧で整理します。
2.X広告のターゲティング種類まとめ
X広告では、複数の切り口からユーザーを絞り込むことができ、最大10種類のターゲティング方法が用意されています。
ここではそれぞれの特徴と活用シーンを簡潔に整理します。
2-1.キーワードターゲティング
ユーザーのツイートや検索に含まれるキーワードを指定して広告を配信できます。
リアルタイム性の高いXならではの手法で、季節・流行・イベント系との相性が抜群です。
例:
・「暇すぎる」「今日何しよう」→マッチングアプリ、漫画アプリ
・「夏休み 勉強法」→学習塾、教育系アプリ
2-2.ハンドルターゲティング(@ユーザー)
特定アカウントのフォロワーに類似したユーザーに配信できます。
競合サービスやインフルエンサー、テーマ性の強いアカウントを指定することで構精度な類似ターゲットを狙えるのが特長です。
例:
・@AmazonJP→EC慣れしているユーザーへ
・@ABEMA→エンタメ層へ
2-3.興味関心ターゲティング
Xのユーザーが過去に示した行動をもとに、「恋愛」「キャリア」「金融」「ファッション」など約25カテゴリから選択できます。
購買・登録行動と関連性が高いジャンルが多いため、王道の設計に使いやすいです。
2-4.映画・テレビ番組ターゲティング
作品単位でユーザーを指定できる、かなりユニークな機能です。
特に女性向け商材やエンタメ系アプリと相性が良く、話題作の名前を使ったターゲティング設定がハマることも。
例:
・映画『花束みたいな恋をした』→恋愛アプリ、占い系サービス
・バラエティ番組『あざとくて何が悪いの?』→美容、恋愛、共感訴求LP
2-5.デモグラ(年齢・性別・地域)
性別・年齢・地域などの基本属性で絞ることも可能です。
ただし、興味関心などの文脈ターゲティングと併用しないと効果が出にくい傾向があります。
2-6.カスタムオーディエンス(メールアドレスや電話番号など)
手持ちの顧客リストと連携し、既存ユーザーに広告を出したり、類似拡張オーディエンスを作ったりできます。
LINEやLPからの登録リストがある場合には特に有効です。
2-7.リターゲティング(ウェブ・アプリ連携)
自社LPやアプリに訪れたユーザーに対して再アプローチする手法。
刈り取り型の配信に向いており、LINE誘導やコンバージョン目的の再訴求に使われることが多いです。
このように、X広告のターゲティングは「文脈」「行動」「属性」を掛け合わせることで、狙ったユーザーにピンポイントでリーチできます。
次章では、実際に成果が出たターゲティング設計例をもとに、設定時の考え方や工夫を紹介します。
3.成果が出たターゲティング設定の実例と考え方
ここでは、実際の広告運用の中で成果を出したターゲティング設計の事例をもとに、「どんな組み合わせが有効だったか」「なぜその配信設定で成果が出たのか」を解説します。
3-1.マッチングアプリ:夜の暇つぶし×恋愛興味層でCPO改善
・ターゲティング設定
・キーワード:「暇」「退屈」「夜ご飯」「週末何する」など
・興味関心:恋愛・エンタメ
・配信時間帯:夜19時〜23時
結果
・CPO 約300円台で安定運用
・「暇つぶし」需要と「恋愛への関心」が重なる層に刺さった
ポイント
「夜暇な人」は衝動的にDLしやすい。
加えて”恋愛系の関心”を掛け合わせることで、動機づけが明確になり、クリック率と登録率が大きく改善されました。
→この施策の詳細や、実際の運用方法については以下の記事でも解説しています
https://forestdali.co.jp/column/post_6032/
3-2.スクール商材:Amazon×勉強垢で高単価CVを獲得
ターゲティング設定
・ハンドル:@AmazonJP、効率系インフルエンサー
・興味関心:資格取得、教育、キャリア
・配信時間帯:平日昼休み/深夜帯
結果
・LINE登録CPA 1,877円(高単価商材としては優秀)
・CVRが高く、LTVの高いユーザー層が獲得できた
ポイント
「Amazonユーザー」はすでに購買意欲が高く、かつ”勉強垢”との掛け合わせにより自己投資志向のある層に的確にアプローチできたことで、高単価でも結果が出た。
3-3.女性向け美容サービス:映画タイトル×共感コンテンツで拡散+CV
ターゲティング設定
・映画ターゲティング:「花束みたいな恋をした」「あざとくて何が悪いの?」
・興味関心:美容、恋愛、ライフスタイル
・訴求軸:「わかる〜って共感しちゃう内容」+「無料診断」
結果
・UGC的拡散→LP流入→LINE登録という導線が高CVR
・女性ファン層の共感+拡散行動をうまく活かせた
ポイント
「文脈のある映画タイトル」と、広告に見えない自然な投稿構成を組み合わせることで、共感+拡散+CVの3拍子を実現できた。
これらの事例に共通するのは、「ターゲティングの設計段階で、ユーザーの状況や感情まで想像して組み立てている」という点です。
次章では、逆に「ターゲティングが原因で失敗した例」と、その改善アプローチを解説します。
4.失敗しがちなターゲティング設定と改善ポイント
ターゲティング設定は、成果を大きく左右する一方で、少しのズレが「広告が見られない」「見られても刺さらない」という失敗に直結します。
ここでは、実際によくある失敗パターンと、その改善策を紹介します。
4-1.広すぎるターゲティングで配信が空振り
×失敗例
「20代女性・全国・興味関心:ファッション」など、抽象的なセグメントで設定→配信ボリュームは出るが、CTRやCVRが低迷。
改善ポイント
文脈性のあるキーワードやハンドルをかけ合わせ、興味の深度がある層に絞る。
例:「夜活」「韓国コスメ」など具体的な投稿ワードで行動予測を立てる。
4-2.狭すぎて配信が出ないor学習が進まない
×失敗例
「資格取得×25歳×関東×夜配信」など細かく絞りすぎて、インプレッションすら出ない。
改善ポイント
まずはやや広めに設定してテスト配信→反応が良い層に絞り込むというステップ設計が需要。
初期から完璧な設定にしようとせず、スモールPDCAを回す意識が効果的です。
4-3.投稿内容とターゲットがズレている
×失敗例
「美容に興味がある層」に対して、「成分の専門性」を全面に押し出した投稿→反応が薄い
改善ポイント
ターゲットの知識・関心レベルに合わせて、”今その人が求めている情報”を投げかける構成にする。
例えば、美容初心者層には「あるある」や「悩み系」などの共感導入が有効。
4-4.成果が出ないまま配信を続けてしまう
×失敗例
「一応クリックは出てるから」と同じターゲティングで配信継続→広告疲れ・CP悪化
改善ポイント
3~5日ごとに主要KPI(CTR・CVR・CPO)を確認し、反応がない設定は早期に切り替え。
特にX広告はユーザーの行動が早く変わるため、リアルタイム性を活かした改善が重要です。
このように、ターゲティング設計のつまずきは誰でも経験しますが、「ユーザー理解」と「柔軟なテスト運用」ができるかどうかで大きく結果が変わります。
次章では、X広告でターゲティングを成功に導くための全体設計Tipsを紹介していきます◎
5.成果を最大化するための設計Tips
ターゲティングが決まった後、「どう設計するか」によって成果の出方は大きく変わります。
ここでは、X広告で成果を最大化するために重要な設計ポイントを5つに分けて解説します。
5-1.投稿内容(クリエイティブ)はターゲットの言葉で書く
Xは特に「言葉の選び方」が成果に直結するSNSです。
広告感のある投稿ではなく、ユーザー自身のツイートのようななじみ方を意識することでCTRが大幅に向上します。
具体例
・NG:あなたにおすすめのマッチングアプリ
・OK:暇つぶしに始めたら、普通に彼氏できた話する?
5-2.訴求軸は「共感」or「逆張り」の2軸が効果的
・「わかる〜」系の共感型→女性向け、美容やライフスタイル領域で有効
・「実は〇〇って損してる」などの逆張り型→教育・転職・金融などで刺さる
いずれも、タイムラインで自分ごと化されやすい構成が大切です。
5-3. 媒体特性にあわせたフォーマットを選ぶ
X広告では以下のような形式が利用可能です。

目的・商材によってフォーマットを最適化することで離脱率やCVRに差が出ます
5-4.導線(LPやLINE登録)との文脈一致がカギ
投稿とLP・LINE登録の内容にズレがあるとCVRは大きく低下します。
例:
・投稿:共感エピソード→LP:詳細プロフィール入力→LINEで相談
・投稿:診断っぽい→LP:3問診断→LINEで診断結果共有
「最初の投稿をみて期待したこと」と、LPやLINEが自然につながっていることが重要です。
5-5.配信初期は”広め”に設計してテストを繰り返す
初めから細かく絞るのではなく、まずは興味関心×1つの訴求パターンで広めに配信→クリックやCVが出た層を分析→最適化という流れが鉄則です。
運用開始〜1週間は、「データを集めるための準備期間」としてテスト設計しておくのが安全です。
以上が、ターゲティングの設計精度を高め、最終的な成果へつなげるための具体的な設計Tipsです。
次章では、このコラムの総まとめとして「ターゲティング設計で差がつく理由」や今後の広告運用に向けたアドバイスを紹介します。
6. まとめ
X広告は、他のSNS広告と比べても誰に届けるかの精度が成果を大きく左右する媒体です。
同じクリエイティブでも、ターゲティングの設計次第でCTRやCPOが何倍も変わるケースは少なくありません。
今回ご紹介したように、X広告には多彩なターゲティング手法が存在し、ユーザーの「今の気分」「関心」「行動」を読み解く設計力が成果を分けるカギとなります。
ポイントのおさらい
・キーワード・ハンドル・興味関心など、X広告ならではの文脈ターゲティングが豊富
・実際の事例では、「夜の暇つぶし×恋愛興味層」や「Amazon×勉強垢」などでCPO改善
・失敗を防ぐには、広すぎ・狭すぎ・訴求ズレの3点に注意
・成果最大化には、「投稿とLPの文脈一致」や「最適フォーマット選定」が不可欠
ターゲティングは”設定して終わり”ではなく、ユーザー理解を深めながらアップデートしていくものです。
運用初期こそ、柔軟に仮説→検証を繰り返すことで、確実に勝てる配信設計へと育てていくことができます。
ターゲティングは“設定して終わり”ではなく、ユーザー理解を深めながらアップデートしていくものです。
運用初期こそ、柔軟に仮説→検証を繰り返すことで、確実に勝てる配信設計へと育てていくことができます。
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【参考サイト】
・https://primenumbers.co.jp/blog/snsads/twitter_targeting/
・https://taga-tame.com/blog/the-latest-twitter-ad-targeting-methods-for-2023/
・https://www.shuttlerock.co.jp/article/detail/post-16258/