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記事制作者:Nazuna.N
その一方で、「CPAが上がってきた」「CVRが伸び悩む」そんな広告疲れが原因となり思うように広告効果が出ないケースも後を絶ちません。
そこで、広告感を排し、生活者のリアルな声でアプローチできる「UGC(ユーザー生成コンテンツ)」が再注目されています。今日、リスティング広告やSEOと並ぶ主な獲得手法として、多くの企業がSNS広告を“主軸”に据える時代になりました。特にtoC向けのサービスでは、X(旧Twitter)やInstagram、TikTokを活用した広告運用が“当たり前”となり、予算もSNSに集中するケースが増えています。
本記事では、SNS広告にUGC要素を掛け合わせることで広告疲れを突破し、成果改善に繋げている事例を交えながら、「UGC×SNS広告」という打ち手の方法と効果を解説します。
1. 広告疲れの現状と背景
1-1. SNS広告接触量の増加
デジタル広告全体のインプレッション数は年々増加しており、ある調査では一人のSNSユーザーが1日に接触する広告数は100本以上とされています。
アルゴリズムによる最適配信が進む一方で、ユーザーは広告疲れが発生し、潜在的な嫌悪感を抱きやすくなっています。
1-2. 画一的な広告クリエイティブの増加
SNS広告は一定の成功パターンがテンプレート化しやすく「ビフォー/アフター」「驚きの結果」といった構成が多く見られます。
これらは短期的なパフォーマンスには寄与するものの、長期的には広告疲れが起こり、ユーザーに拒絶される要因となります。
1-3. Z世代を中心とした「広告リテラシーの進化」
特にZ世代・α世代など、デジタルネイティブ世代においては、広告か否かを一瞬で一瞬で見抜くリテラシーが備わっています。
彼らは広告だと感じた時点でスルーするといった行動をとる傾向が強く、情報の信頼性や共感性をより重視する傾向にあります。
1-4. SNS広告における構造的な課題
広告疲れの影響は、単なる一時的な効果低下にとどまりません。広告の量産・配信効率の最大化を追い求めるがゆえに、
・ブランドイメージの毀損
・ユーザーからの嫌悪・ブロック
・潜在顧客の情報遮断
といった副作用を引き起こすリスクがあります。
つまり広告が届かないのではなく、嫌われる可能性を含むといった認識が必要です。
2. なぜUGCが広告疲れに効くのか?
このように、広告疲れが深刻化する中で、あらためて注目されているのがUGC(User Generated Content:ユーザー生成コンテンツ)の活用です。
UGCとは、企業ではなく一般のユーザーが自発的に作成・発信したコンテンツを指し、写真・動画・レビュー・体験談などが代表的です。
本章では、UGCがなぜ広告効果を高めるのか、心理的メカニズム・数値的根拠・SNS広告との親和性の観点から解説します。
2-1. 生活者視点の「共感」と「信頼」を生む
UGCの最大の強みは、”企業ではなく、生活者の目線で語られる情報”であることです。
マーケティング心理学の観点では、UGCには次の2つの心理的バイアスが強く働きます。
・社会的証明(Social Proof)|他人が使っている/評価しているもは信頼できるという心理。→「こんな人も使ってるんだ」「自分にも合いそう」=購買意欲喚起
・第三者性の信頼|企業からの一方的なPRよりも、第三者による評価の方が信頼されやすい。→レビューや体験談=”本音”として受け入れられる
2-2. 広告として見られにくい=「スルーされにくい」
ユーザーは広告と気づいた瞬間にスキップや離脱をする傾向がありますが、UGCはその広告臭を排除できます。
・TikTokなどではUGCと広告の境界が曖昧
・UGC風の縦型動画が自然な体験としてフィードに溶け込む
・適度な演出がないため、ユーザーが見る前提で接触する
結果として、CTRの改善や、LP遷移後の離脱率の抑制にも寄与します。
実際、Meta社の調査ではUGCを含む広告クリエイティブは一般的な企業制作コンテンツと比較して平均2.4倍のエンゲージメント率を示すというけっかも報告されています。(Meta for Business,2022)
2-3. SNS広告との圧倒的な親和性
UGCとSNS広告は非常に高い相性を持ちます。理由は以下の通りです。
・SNSそのものがUGCの集合体であるため、広告であっても自然に馴染む
・ユーザーが「他人の声」を信頼するというSNS文化の特性
つまり、UGCはSNS広告におけるコンテンツ文脈上のネイティブ性を最大化する手段であり、自然な形で商品理解・興味喚起・態度変容までを誘導できるメディア素材なのです。
3. UGC×SNS広告の成功事例【ブライダル・スクール・人材】
UGCの効果は理論だけではありません。実際にSNS広告にUGCを掛け合わせることで広告疲れを乗り越え、成果改善に繋げた具体事例をご紹介します。
3-1. 事例1:ブライダル業界|「投稿型レポ風動画」で共感CVを獲得
・実際の利用者風にストーリーズ広告において、特別な画像ではなくスマホで撮影された写真とシンプルな感想を組み合わせた画像投稿風のクリエイティブを展開
・過剰な演出ではなく、誰かの素直な感想というスタンスが好反応を生んだ。

3-2. 事例2:スクール業界|「人生が変わった未来像」を想起させるUGCが成果に直結
・在学生や卒業生のリアルな声をもとに「受講→変化→今の自分」」というストーリー性をもったUGCを活用
・サービスの魅力だけではなく、利用者の変化にフォーカスすることで、自分ごと化が促進された
・UGCで描かれる「明るい未来像」が、興味関心だけでなく行動意欲の喚起に繋がった

3-3. 事例3:人材業界|過去のつらさと今の変化を描くUGCで面談率向上
・弱音からスタートするUGCは、感情の共鳴と希望の提示を同時に叶える訴求力を持つ
・人生の変化のきっかけとしてサービスが登場する構成が広告的抵抗感を消すことに繋がった

4. UGC活用のポイントとよくある失敗
UGCは広告疲れに有効な打ち手である一方、活用の仕方を間違えるとこうかがでないどころか、逆効果となるリスクもあります。この章では、成果を出すために重要なポイントと陥りがちな失敗例を紹介します。
4-1. 成果を出すUGC活用のポイント
①リアルさを重視した素材選定
→過去の悩み→サービスとの出会い→現在の変化という構成は、再現性が高く効果的
②媒体別にフォーマット・文脈を最適化
→TikTok/Instagram:縦型動画でのVlog風クリエイティブ
→X:一般人のつぶやきのようなポスト
プラットフォームに合わせて自然に存在するように見せる工夫が重要
③UGCとLP・オファーの一貫性を担保する
→UGCで形成した感情やイメージを、遷移先LPで裏切らない工夫を行う
4-2. 陥りがちな失敗パターン
・台本ぽさ、広告臭が消しきれていない
・フォーマットや言い回しのテンプレ化
・売り要素を詰め込みすぎる(期間限定、特典などの訴求過剰)
・編集・キャプション・構成等の見せ方がわかりにくい(いくらUGC風でも伝わらないものは効果が出ない)
5. UGCをどう活かす?動線設計とアクション
5-1. サービス利用者の声を集める
私たちはまず、サービスを実際に体験したユーザー対して、オンラインのインタビューを行い、購買動機やこれまでの状況等を丁寧に引き出します。
このようにして得られるコンテンツは、単なるレビューではなく、共感と信頼の核となるUGC素材になります。
5-2. UGCの構成とフォーマット設計
収集した声をもとに、サービスの特徴や媒体、ターゲットに最適化した構成を設計します。単なる「体験談紹介」ではなく、届けたい感情が正確に伝わる構成にすることが成果に直結します。
広告ではなく、あくまでも誰かの日常投稿に溶け込むような設計がポイントです。
5-3. クリエイティブの遷移先”後の動線”とのトンマナを合わせる
せっかくUGCで感情共鳴が起きても、遷移先でトーンの断絶があるとCVにつながりません。LPと広告のトンマナを合わせたり、LINEステップ配信で「他の利用者の声」を紹介する等の工夫が必要です。
広告とUGC、そしてその先の接点まで一貫性を保つことで、UGCの価値を最大限に活かす導線が完成します。
6. まとめ
SNS広告が獲得の主戦場となった今、従来型の広告クリエイティブだけでは成果を出すのが難しくなっています。そんな中で、UGCを活用した広告設計は、「広告疲れを突破し、信頼と共感から行動を促す導線を設計できる」現代のSNSマーケティングにおいてかかせない手法です。
・SNS広告の効果が頭打ちになっている
・新しい切り口を模索している
そんな課題がある方は、ぜひ一度Forest Daliにご相談ください。業界特性やサービスの強みを踏まえた、新しい広告戦略をご提案いたします。

【参考サイト】
・https://www.facebook.com/business/news/insights/ugc-ads-creative-strategy
・https://influee.co/blog/ugc-ads?utm_source=chatgpt.com
・https://www.linkedin.com/pulse/from-ugc-roi-why-brands-invest-user-generated-content-jtsnf/
・https://www.linkedin.com/pulse/tips-reduce-meta-ad-cost-prakash-rawat-tvarc/