記事制作者:Kazuho Kurata

動画広告はリード獲得や購入促進に大きな効果をもたらす宣伝方法であり、その規模は年々拡大を続けています。

特にInstagramやTikTok、Youtubeなどの動画媒体の拡大はすさまじく、売上の拡大・事業の成長のために動画広告は必要不可欠な時代になっています。

結論、動画広告を作るうえで大切なのは『感情の地図』を描くことです。ここで言う『感情の地図』とは戦略設計のことであり、“どの感情を、どの順番で、どう揺らすか”を設計します。戦略設計が正しくできている動画広告は、視聴者に気づかれずに感情を動かすことができます。これこそが、目指すべき動画広告なのです。

今回は、ダイレクトマーケティングに絞って、弊社が動画広告を作成する(感情の地図を描く)際のフローを紹介します。

1. 人が商品を買う時とは

まずは動画広告のゴールである、「ユーザーがサービスを買う」状態について説明します。

1-1. 人間の購買心理

人間の購買心理として、現状と理想の姿にギャップを感じ、理想の姿になれる可能性【商品】を購入します。ギャップを感じた時の感情の振れ幅が大きければ大きいほど、購入率は上がります。

1-2. そもそも感情とは

感情とは、人間の生存確率を高めるために無意識に感じる気持ちです。つまり人間は、生命を維持するために起きた事象に対して快・不快を記録していく生き物であり、無意識に+の感情を求めているということなんです。

1-3. 感情の振れ幅を大きくする

感情の振れ幅が大きいほど購入率は上がります。

この振れ幅を大きくする方法は、大きく分けて以下の3つがあると考えています。

①コンプレックス/強い欲求をつく

②ビフォーアフターを表現する

③現実を下げて理想の姿を上げる

それぞれ詳しく説明します。

①コンプレックス/強い欲求をつく

1つ目が、コンプレックスや強い欲求を突くことです。

シミやシワ、肌荒れやダイエットなどを扱うコンプレックス商材が売れるのはなぜだと思いますか?それは、ターゲットの現状と理想の振れ幅が大きいからです。

現状が低い(悩みが深い)人ほど、理想の未来に惹かれ行動します。

強い欲求も同じです。

「バルクオム」というシャンプーを知っていますか?初期のバルクオムは「いい感じの髪質になりたい」という欲求をターゲットにしていました。この欲求はあまり強くない、求めてる人が少ないので売るのはなかなか難しいです。

そこでバルクオムは戦略を変更しました。狙う欲求を「女の子にモテたい」というほとんどの男性が思っている、人としての根源的なものに変えたのです。

結果はみなさんご存知の通り、バルクオムは爆発的にHITしモテシャンプーとしての第一認知を獲得しました。

②ビフォーアフターを表現する

2つ目は、ビフォーアフターを表現することです。

なぜ広告やLPでビフォーアフターを表現したものが多いのか。これはコンプレックス商材にも通ずるのですが、ビフォーアフターは現状と理想のギャップを自分ごと化して感じやすいという特徴があるからなんです。

ユーザーは、ビフォーを自分に置き換え、アフター(理想)になれそうという思いから行動します。

③現実を下げて理想の姿を上げる

最後に紹介するのは、現実を下げて理想の姿を上げるという方法です。

当たり前の話ですが、現実を下げれば下げるほど、理想を上げれば上げるほど現実と理想の振れ幅は大きくなります。しかし最近は、広告表現に対する規則は厳しくなっていて、特に美容系商材は薬機法の改正などもあり、理想を上げるのが難しくなっています。

それなら現実を下げましょう。例えば下の図のように、ただ現実を伝えるだけではなく、今の現実を続けることによるデメリットを伝えると現実は下がり、現実と理想の振れ幅も大きくなります。

嘘をつくことは言語道断です。倫理観を持って、現実と理想の間隔を操作しましょう。

2. 効果の高い動画クリエイティブの作り方

2-1. 目的・目標を設定する

まずは売りたいサービスの現状を正しく把握し、なんのために動画を作るのか目的を明確にしましょう。

目的を決めるうえで市場の動向を把握することも必要不可欠です。目的を決めたら、具体的な数値や期限を用いて目標を設定します。この目標は、必ず効果測定が可能なものにしてください。

2-2. ターゲットを決める

目的を決めたら、次はターゲット(ペルソナ)を決めましょう。

ターゲットを決める時はできるだけ具体的に決めてください。具体的に決めることで、誰に何を伝えるべきかが明確になり、動画に一貫性が生まれ動画広告の質が向上します。

ターゲットを決める時に重要なのは、頭の中の想像だけで完結させないということです。私たち人間がイメージするとき、偏見や先入観などが少なからず入ってしまいます。これでは、正しいターゲット設定はできません。

弊社では新しいサービスを支援する際は、”感性調査”と呼んでいるインタビューを必ず行います。成約者(実際にサービスを利用している人)10名ほど、失注者や競合サービスを利用している人5名ほどにインタビューを実施し、需要マップを作成します。

この感性調査が『感情の地図』を描くうえで非常に重要な工程であり、これによって混じり気のない”本質的な購買動機”を抽出し広告に反映させることができます。

2-3. 伝えるメッセージ

ターゲットが決まったら、そのターゲットに伝えるメッセージを決めます。

このとき伝えるメッセージの情報量には注意しましよう。情報量が多いとターゲットに本当に伝えたいことが伝わらず、情報量が少ないとターゲットの感情を揺さぶることができません。

弊社では、感性調査によってターゲットに最も刺さるキーワードやメリットを正しく理解しているので、適切な情報量でターゲットの感情を最大限揺さぶる広告を作ることができます。(インタビュー中に「この表現って惹かれますか?」と実際に聞くこともあります、、笑)

2-4. 動画の構成を決める

最後に動画の構成を決めましょう。

どんな冒頭で引きを作って、どんな現状を想起させて、どんな理想をみせて、どんなメッセージを伝えて行動させるか…。動画はターゲットが抱えている問題や悩みを、視覚や聴覚を通して具体的に想起させることができる唯一の手段であり、これまで何度も述べてきた感情の振れ幅に直結します。

構成にどこまでこだわれるかは非常に重要なのですが、ここで書くととんでもなく長くなってしまうので、また別の機会にお伝えすることにします笑

3. 映像のこだわり

3-1. 動画は冒頭の2秒が勝負

動画広告は最初の5秒が重要とよく言われますが、この考えはもう古いと感じます。1分以内のショート動画の流行に伴ってユーザーが動画慣れしており、自分が興味あるかどうかの判断が以前よりも早くなりました。

今は”最初の2秒”でターゲットの指を止められるかが超重要なんです。

弊社では、最初の2秒でユーザーの手を止めるためのアイディア(見せ方)を「ビックアイディア」と呼んでいます。弊社のメンバーは、広告動画だけではなく一般ユーザーが作成した動画を毎日大量にインプットし、それをアウトプットすることで、まだ市場にない「ビックアイディア」を生み出し続けています。

3-2. テロップは必須

広告を見る状況は人それぞれであり、多くのユーザーは、特に移動中や公共の場所では、音を出さずに視聴することが多いです。

そのため、音声のみの動画広告は、ユーザーがターゲットだとしてもスキップされてしまい機会損失に繋がります。

さらに、色やフォント、動きなどで視覚的な興味を引くことで、ユーザーの離脱を防ぐことができるのも、テロップの重要な役割です。

3-3. 情報量はできるだけ少なく

テロップ含め動画内に情報量が多いと、ユーザーはストレスを感じやすくなり離脱につながってしまいます。

少ない情報量で伝えたいことを伝えることが大切です。

4. まとめ

動画広告の成果の9割はWHY-WHO-WHATの設計で決まります。動画の素材や見せ方、テクニカル運用などの小手先の技術ではなく、いかにターゲットの悩みに刺さる戦略を設計できる、『感情の地図』を描けるかが何よりも重要です。

弊社が作成する動画広告はインタビューによる感性調査や徹底したリサーチでターゲットの解像度を限界まで高めているため、確度高く効果の良い動画広告を作成することができます。実際に、結婚系サービスの顧客数を4ヶ月で約30倍に増やしたり、AIスクールの売上を半年で約20倍に拡大しました。

もし動画広告の作成や運用についてお悩みでしたら、無料でご相談を承っていますので、下記からお気軽にお問い合わせください。

【参考サイト】

https://www.cocoroken.jp/columns/what-are-emotions/