記事制作者:Yuuki Matsutaka

X広告とは

X広告(旧Twitter広告)とは、X(旧Twitter)上に出稿できるSNS広告です。

Xはリアルタイム性に優れたプラットフォームであり、速報性の高い情報発信やトレンドの拡散力が強いことが特徴です。
全世界での月間アクティブユーザーは約6億人(2024年時点)とされており、日本国内でも4,500万人以上が利用しているといわれています。また、X広告ではタイムライン上に自然に溶け込む形で広告を表示できるため、ユーザーとの接触頻度が高く、拡散やエンゲージメントを狙いやすいのが強みです。
短期間で多くのユーザーにリーチしたい場合に非常に適した広告媒体といえるでしょう。

1.X広告の特徴

-影響力のあるSNS

まず特筆すべきは、圧倒的なユーザー数です。
X(旧Twitter)は、全世界で月間アクティブユーザー数が約6億人(2024年時点)に達しており、日本国内でも4,500万人以上が利用しています。
これは日本のインターネット人口の約3人に1人が利用している計算になり、国内においても非常に影響力のあるSNSだといえるでしょう。

-リアルタイムな拡散力

さらに、Xの特徴として挙げられるのがそのリアルタイム性と拡散力
投稿(ツイート)は秒単位で更新され、トレンド入りした話題は爆発的に拡散される傾向にあります。
この性質により、広告においても短期間で多くのユーザーにリーチしたいキャンペーンや、話題性のあるクリエイティブとの相性が非常に高いです。

-オーガニック感のあるポスト

また、X広告は他のSNSと比べて広告感の少ないフォーマットが多く、タイムライン上に自然に表示されるため、ユーザーとの心理的な距離が近く、エンゲージメント率(いいね・リポスト・クリックなど)も高くなりやすい傾向があります。こうした特性を活かすことで、ブランド認知の向上はもちろん、獲得・販売促進を目的としたダイレクトレスポンス施策にも強みを発揮するのがX広告の大きな魅力です。

2.X広告の強み

圧倒的な拡散力

X広告のCPMが安いのは、単に「競合が少ないから」だけではなく、媒体としての特性にあります。

Xは投稿がリアルタイムで大量に流れる「情報の洪水」のような構造を持っており、広告枠もそれに比例して多く存在します。

そのため、広告在庫(広告枠)が豊富で、自然と1表示あたりのコストが抑えられているという構造的な要因があります。

さらに、他の主要SNS媒体(MetaやTikTok)に比べて広告主の数がまだそこまで多くないという点も見逃せません。競合が少ないことで入札価格が高騰しにくく、同じ予算でもより多くのインプレッションを獲得できるのです。

とくにスタートアップや中小企業にとっては、少額から始めて結果を出しやすい“穴場”とも言える広告媒体になっています。

-多様な入札戦略

またX広告では、目的や運用方針に合わせて柔軟に選べる入札戦略が用意されており、パフォーマンスを最大化しやすいのが特徴です。

■ 自動入札

最もシンプルな入札方法が「CV Max」と呼ばれる自動入札。
システムがコンバージョン最大化を目的に、入札単価を自動で最適化してくれる仕組みです。
運用に不慣れな場合や、ボリューム重視で配信したいケースに向いています。

■ 目標単価

一定のクリック単価(CPC)を目標にしながら運用できる「目標単価」。
システムはその単価を意識しながら最適化を図るため、安定したCPCコントロールを行いたい

■ 上限入札単価

CPCを「ここまでしか出したくない」という明確な上限を設定したい場合は、上限入札単価がおすすめです。
想定外の単価上昇を防ぎつつ、費用をしっかり抑えて運用したいときに活躍します。

■ 顧客獲得単価【NEW】

最近実装されたのが「顧客獲得単価(tCPA)」の設定です。
これは、1件のCVあたりにかける目標CPAを指定し、それに基づいて配信が最適化される形式。
Meta広告などでも主流の手法で、より直接的な獲得効率の追求が可能になります。

– ユーザーとの距離が近い「広告感のなさ」

X広告のもう一つの大きな強みは、広告が自然にタイムラインに溶け込む設計になっていることです。
いわゆる「プロモツイート」という形で表示されますが、見た目は通常の投稿とほとんど変わらず、ユーザーにとって広告であることが違和感なく受け入れられるのが特徴です。

その結果として、

  • リポスト(旧RT)やいいね、コメントなどのエンゲージメントが得られやすい
  • オーガニックな拡散と広告配信の境界が曖昧で、結果的に広告費以上の効果を得られることも多い

という利点があります。

また、X広告では引用リポストによる“クチコミ的拡散”が自然に起きやすく、クリエイティブの工夫次第では、広告でありながら「ユーザー発信のような広がり方」をすることもあります。これは他のSNS広告にはあまり見られない、Xならではの強みです。

3.実践的なX広告の運用方法

ここからは、実際にX広告を配信する際の運用のポイントについて解説します。
X広告は、Meta広告やGoogle広告と比べると、アルゴリズムの最適化がまだ発展途上な面もあり、運用のノウハウやタイミングによって効果に大きな差が出ます。
そのため、以下では基本となる考え方と、2025年現在における「今やるならこれ」な運用手法をお伝えします。

– オーガニック投稿を広告化する

X広告では、オーガニックで投稿したポスト(通常の投稿)を、そのまま広告として配信することが可能です。
これはMeta広告にはないX特有の運用スタイルで、すでに反応が良かったポストを使えば、
・「広告くさくない」
・「エンゲージメントが得られやすい」
というメリットが得られます。

特にエモーショナルな共感系ポストや、実体験・ストーリー系の投稿は広告としても刺さりやすいため、
まずはオーガニックで反応を見てから広告配信するのが鉄板です。

– 入札戦略は「上限入札単価」または「目標顧客獲得単価(tCPA)」がおすすめ

X広告では、アルゴリズムがまだ粗いため、「自動入札(CV Max)」を使うとCPMやCPCなどフロント指標が不安定になりやすい傾向があります。
そのため、現状では上限入札単価や**目標顧客獲得単価(tCPA)**を活用し、意図的にコントロールしながら運用するのが効果的です。
費用対効果を見ながら、目的に応じて使い分けるのがポイントになります。

– 「ターゲティング最適化」をONにする

X広告ならではの強力な機能が、ターゲティング最適化(Optimized Targeting)です。
これは、設定したターゲットに加えて、X側がより成果につながりやすいユーザー層へと自動で配信の幅を広げてくれる機能です。

特にパフォーマンスを最大化したい場合や、反応を広げたい場面ではONにするのが基本となります。
フロント数値の改善が期待できるため、初期から積極的に活用したい設定です。

4.今注目すべきX広告の新機能・最新動向

X広告はまだ発展途上の媒体ではありますが、だからこそ新機能や仕組みが次々と実装されており、“今”だからこそ注目すべきポイントがいくつかあります。
ここでは、2025年現在で特にチェックしておきたいトピックを2つ紹介します。

– 動画広告のスタート

最近になって、X広告でも本格的に「動画広告」の運用が可能になりました。
これまで画像やテキスト中心だったX広告ですが、現在では16:9の横長動画の出稿にも対応しており、表現の幅が大きく広がっています。

特に注目すべきは、動画広告が始まったばかりということもあり、CPM(1,000回表示単価)が非常に安価に抑えられているという点。
競合がまだ少なく、今始めれば“先行者優位”を取りやすい領域でもあります。

– Grokによる広告戦略サポート

Xが独自に開発・搭載しているAI「Grok(グロック)」も、広告運用において意外と活躍する存在です。
GrokはXのポストデータを学習に取り込んでいる唯一のAIであり、広告に関する質問にも比較的具体的に答えてくれるのが特徴です。

特に、「どんな切り口やトーンが今ウケるか?」「この構成でCRは刺さるか?」といった、クリエイティブ(CR)制作の壁打ち役として使うと非常に有効です。
まだ正確性にバラつきはありますが、人力でのアイデア出しに行き詰まったときの補助ツールとして活用する価値は十分あります。

X広告は、これからさらに進化していく広告媒体です。
新機能を積極的に取り入れることで、競合より一歩先の広告運用が可能になります。今後も最新動向にアンテナを張っておくことが、成果を出し続ける上で重要になってきます。

5.まとめ

X広告は、今だからこそ取り組む価値の高いSNS広告媒体です。リアルタイム性や拡散力に優れており、オーガニック感のある広告表現ができるため、ユーザーとの心理的距離も近く、エンゲージメントを得やすいという強みがあります。さらに、動画広告やtCPAの実装、ターゲティング最適化など、他媒体にはない柔軟な機能が充実してきており、費用対効果の面でも非常に優秀です。中でもCPMが安く、競合がまだ少ない今のタイミングは“先行者優位”を取る絶好のチャンスと言えるでしょう。重要なのは、媒体特性を理解しながら、オーガニックを軸にしたクリエイティブ戦略を練ること。X広告は、これから本格的に伸びていく可能性を持つ注目領域であり、成果を出したい広告主にとって、今もっともおすすめできる選択肢の一つです。

Xは、10代後半から30代を中心とした比較的若いユーザーが多いプラットフォームとされています。SNS全般で若年層の利用率が高まりつつある中でも、Xの利用者はリアルタイムで情報を収集し、頻繁にコミュニケーションを行うのが特徴です。新しいトレンドや話題に敏感な若年層が多いため、ブランドや商品の認知度を高めるうえで非常に効果的です。 ビジネスにおいては、この若年層との接点を増やし、長期的にロイヤルカスタマーへ育てることが大きな課題の一つになります。特に学生や若年社会人など、これからブランドへの忠誠心を育みやすい層とつながれる可能性が高い点が注目されています。

【参考サイト】